第7章

単身で約束の場所へ赴くのは、無謀でもある。だが同時に、避けては通れない試練でもあった。

渡部綾香は、決して丸腰で来たわけではない。前世で無残に殺された経験が教えてくれたのだ。ほんのわずかな油断が、そのまま取り返しのつかない破滅へ繋がると。

祖父が彼女に遺した「闇夜」は、最後の命綱だった。

祖父ほどの深慮遠謀の人間が、その組織を重く見ていたのなら――信用できないものを、後継者に渡すはずがない。

それなのに前世で、彼女は死ぬまでその切り札を一度も切れなかった。「闇夜」もまた、正統な継承者である彼女を探しに来ることはなかった。

筋が通らない。

考えられるのはただ一つ。組織の内部で何かが...

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