第128章

「山本翔一が同意しなかった?」それは実に意外なことだった。

呆気にとられた私の様子を見て、山本康夫は小さく頷き、ゆっくりと語り始めた。「山本伊織を帰国させる前に彼と相談したが、彼は終始反対していた。だが幸いにも親思いな息子だから、とりあえず山本伊織を戻すことだけは承諾してくれたよ」

胸に罪悪感が込み上げてきた。この件に関しては、結局私が山本翔一を誤解していたのだ。すべては一族の意向であり、彼の本意ではなかった。だが、なぜ彼は説明してくれなかったのか? こんなに長く誤解させたままにして……今すぐにでも山本翔一の元へ行き、詫びを入れたい気分だ。同時に、中村明美が独断で動かず、私と佐藤美咲が議...

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