第135章

翌朝、私が法律事務所に出勤すると、会議室にはすでに上田と平沢雪乃が座っているのが遠目に見えた。ようやく上田と会って話ができるという安堵と、昨日すっぽかされて散々待たされたことへの恨めしさが入り混じり、私の心は複雑だった。それでも私は足早に歩み寄ると、顔に精一杯の愛想笑いを浮かべて挨拶をした。

「上田さん、昨日の夕方に再調整のメールをお送りしたはずですが、どうしてまた朝一番にいらしたんですか?」

私が部屋に入ると、彼はバツが悪そうに視線を逸らし、引きつったような不自然な笑みを浮かべた。その時、事務所のもう一人の弁護士が書類の束を抱えて入ってきた。彼は堂々とした足取りで、当然のように上田...

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