第235章

繁華街の中心に聳え立つ商業の巨塔、山本グループ。長きにわたり業界の覇者として君臨してきたその本社ビル、張り詰めた空気が漂う会議室で、山本翔一は部下たちを前に緊急会議を開いていた。

山本伊織はそのすらりと伸びた肢体に似合わぬ、得体の知れない狡猾さを瞳に宿していた。人畜無害を装う仮面の下には、煮えたぎるような野心が渦巻いている。山本翔一を完全に失脚させるには、山本グループの心臓部――すなわち、資金とプロジェクトを突くしかないと、彼女は熟知していたのだ。

伊織は、謎に包まれた実力派国際投資会社――『ファントム・キャピタル』を騙る詐欺集団と結託。念入りに作り上げられた虚像を武器に、山本グループへ...

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