第315章

まさか、また姿を現すとは。

あれほどの財力があれば、どこへでも高飛びして悠々自適に暮らせるはずだ。それなのに、まだこの界隈をうろついているなんて、まったくの予想外だった。

確かな手がかりを得たいま、軽挙妄動は慎まなければならない。当面の急務は、直ちに田中太郎に会い、互いの情報を突き合わせることだ。そして、彼と彼の同僚たちに、改めて佐藤美咲を捕縛してもらうのだ。

だが私にとって、最優先すべきは私の里弥を取り戻すこと。

あの子にすぐ会えるかもしれない――そう考えただけで、心臓の鼓動が止まらない。息が詰まるほどの興奮が押し寄せてくる。

監視ルームへ駆け込むと、田中太郎がすぐに立ち上がり、...

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