第340章

「わかった。大前恭也、私たちはお前について行く」

平沢雪乃の父の声は低く、そこにはどうしようもない諦念が滲んでいた。

「だが、絶対に雪乃を無事に連れ戻してくれよ」

大前恭也は力強く頷いた。その眼眶は赤く充血している。

「お義父さん、お義母さん。安心してください。俺はこの命に代えても、必ず雪乃を連れ戻します」

大前恭也が二人の老人を労わるように支え、車へと向かう背中を、私は黙って見送った。

私はこの機を逃さず、大前恭也のそばへ歩み寄り、声を潜めて問いかけた。

「大前さん、一刻を争う事態です。雪乃を助け出す計画はあるんですか? 私たちも協力します。人手は一人でも多いほうがいい」

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