第356章

大前は低く唸るように、怒りを露わにして言った。

「静香、手助けなどできるわけがなかろう。青木井東というあの畜生は、誘拐に強姦などという天人共に許さざる大罪を犯したのだぞ。あやつのせいで、私の義理の娘は心身ともにボロボロにされた。我々大前家も財界ではそれなりの顔役だ。そんな青木家に救いの手を差し伸べたとあっては、世間に顔向けができん。この怒り、どうして静まるものか!」

大前は言葉を切ると、グラスを煽って赤ワインを喉に流し込み、さらに続けた。

「何より、青木家がここまで追い詰められた背景には、葉田家の影がある。葉田家は強大な勢力を持ち、そのやり口も容赦がない。今回の件は明らかに、青木家を徹...

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