第357章

喜色を浮かべる青木易揚を見つめながら、私は表情を引き締めた。そして、静かに口を開く。

「青木易揚、もう一つ言っておきたいことがあるの。大前さんに会う前に、どうしても平沢雪乃に会っておくべきだと思うわ」

その言葉を聞いた瞬間、青木易揚の口元から笑みが消え失せた。冷水を浴びせられたかのように、驚愕の色が顔を過る。彼は反射的にうつむき、足元で靴を所在なげに擦り合わせ始めた。

しばらくして、彼が重い口を開く。その声は、苦渋に満ちていた。

「静香……俺だって、ずっと彼女に会いに行きたいと思っていた。だが、合わせる顔がなかったんだ。お前も知っているように、俺たちと平沢雪乃は長年の友人だ。東英法律...

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