第369章

その時、里弥が私の手をきゅっと握り返し、消え入りそうな声で言った。

「ママ、ちょっと怖い……」

私は慌ててしゃがみ込み、再び彼女を胸に抱き寄せて、優しく背中を撫でる。

「里弥、怖くないわよ。大丈夫だからね」

それを見た中村宗祐がすぐに身を乗り出し、里弥の頭に手を伸ばした。

「里弥ちゃん、いい子だ。おじさんがついているからね。誰も里弥ちゃんとママをいじめたりさせないぞ」

彼が純粋な気遣いで言ってくれているのは分かっている。けれど、この過剰なまでの介入は、山本翔一との問題を解決する上での私の主導権を奪っているように感じられ、正直なところ息苦しかった。

山本翔一は傍らで中村宗祐の振る...

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