第370章

翌朝早く、会社に足を踏み入れるなり、アシスタントから会議室で客が待っていると告げられた。

てっきり大前恭也だと思った。平沢雪乃の心身が回復に向かって以来、彼は後顧の憂いなく技術プロジェクトに没頭し、実に精力的だったからだ。

会議室のドアに近づくと、窓際に佇む中村宗祐の背中が見えた。

窓から射し込む朝陽が、彼の逞しい輪郭を逆光で浮かび上がらせている。背筋はピンと伸びているはずなのに、なぜか微かに震えているように見えた。

私の足音に気づいたのか、中村宗祐がゆっくりと振り返る。視線が交錯した刹那、その瞳の奥に複雑な色が走るのを私は見逃さなかった。

気まずさ、強がり、そして何よりも深い——...

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