第377章

しばらくして、男が口を開いた。その声には、生理的な嫌悪を催すような下卑た響きがあった。

「こんな夜更けに、どうしてまた女一人でバーなんぞへ行くんだい?」

私はこんな無礼な男に取り合う気になれず、窓の外へ視線を逸らして無視を決め込んだ。

「バーってのは物騒な所だぜ。いろんな奴がいるからな。あんたみたいな別嬪さんが行ってみな。男どもがギラついた目で舐め回すように見て、骨の髄までしゃぶり尽くそうとするに決まってる」

私が黙っていると、運転手は反応を伺うように振り返り、いやらしい笑みを浮かべた。

胸の内に苛立ちが募る。私は彼を見たくなくて顔を背けたまま、冷たく言い放った。

「人を迎えに行...

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