第382章

 私と青木易揚がオフィスで頭を抱え、行き詰まった現状に重苦しい空気が漂っていたときのことだ。突如、事務所の扉が『バン!』と荒々しく押し開けられた。

 飛び込んできたのは、神色を欠いた平沢雪乃だ。その手には、小型のボイスレコーダーが固く握りしめられている。

「静香、青木易揚、とんでもないものを手に入れたわ!」

 平沢雪乃は肩で息をしながら叫んだ。

 彼女は早足で私たちの前まで来ると、握りしめていたレコーダーをデスクの上に叩きつけるように置いた。

「佐藤美咲と大前さんの通話記録を傍受したの。この中身を聞けば、あなたたちも腰を抜かすはずよ」

 私と青木易揚は瞬時に顔を見合わせ、瞳に期待...

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