第416章

静寂に包まれた室内。突如として響いたノックの音は、やけに鮮明で、鼓膜を震わせた。

私は反射的に身を震わせる。腕の中の里弥も、怯えた小動物のようにぎゅっとしがみついてきた。

「ママ、誰なの……?」

小さな声に、微かな恐怖が滲んでいる。

私は努めて冷静さを装い、彼女の頭を優しく撫でた。けれど、声の震えまでは隠しきれない。

「大丈夫よ。ママが見てくるから」

鉛のように重い体を引きずって立ち上がる。足元はまだおぼつかない。ふらつく足取りで、一歩、また一歩と玄関へ向かった。

ドアスコープを覗き込んだ瞬間、心臓が早鐘を打った。

ドアの向こうに立っていたのは、山本翔一だったからだ。

なぜ...

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