第425章

野村利樹の顔に張り付いていた笑みが、瞬時にして凍りついた。その瞳には信じがたいといった色が浮かび、まさか私がこれほどきっぱりと拒絶するとは夢にも思っていなかったようだ。

次の瞬間、彼の顔はカッと朱に染まり、眼光は凶暴なものへと変貌する。ギリリと歯噛みする音は、まるで手負いの獣のようだった。

「静香、いい加減にしろ!」

彼は喉が張り裂けんばかりに怒鳴った。同時に、ドスンと大きく一歩踏み出してくる。無意識に握りしめられた拳は、関節が白くなるほど力が込められていた。今にも殴りかかってきそうな殺気――先ほどまでの紳士的な態度は、跡形もなく消え失せていた。

「静香! 山本翔一なんてのは、甲斐性...

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