第430章

私は無意識のうちに、野村利樹のいる方向へと視線を走らせてしまう。彼もまた、時折こちらに目を向けており、その瞳に宿る複雑な感情は、見るたびに濃さを増しているようだった。

会場の談笑が最高潮に達した頃、煌びやかなイブニングドレスを身に纏った司会者が、自信に満ちた優雅な足取りでステージに上がった。彼女はオークションハンマーを手に、凛とした声で高らかに宣言する。

「ご来場の皆様、今宵、最も胸躍るチャリティーオークションの幕開けです!」

その言葉が落ちるや否や、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、熱気は一気に頂点へと達した。

最初の出品物が、スタッフの手によって慎重に展示台へと運ばれる。それは著...

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