第18章 彼はどこにでもいる

松本霞澄は、その場で凍りついた。

信じられないものを見る目で夏目乙美を睨みつける。

「いったい、何をするつもりですか。こんなの……犯罪ですよ!」

夏目乙美は不機嫌そうに鼻を鳴らした。

「母親が子どもを躾けて、どこが犯罪なの。あんたが言うこと聞かずに、いつまでもここで嫌味ったらしくしてるからでしょ。ほら、次女様を押さえなさい」

松本霞澄は反射的に助けを求めて叫んだ。隣人が気づいてくれれば、せめて通報くらいは――そう願って。

だが、夏目乙美が合図を送るより早く、屈強なボディガードが動いた。次の瞬間、霞澄の口が手で塞がれる。

「んむっ……!」

必死に声を絞り出し、なおも外へ助けを求...

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