第40章 冷酷で無情な機械

保坂昭江は相変わらず効率を重んじる女だった。数言で、出来事の前後をきっちり整理してみせる。

だが緒方廷治にとっては――数言で飲み込める話ではない。

無表情の母を睨みつけたまま、胸の奥がぐつぐつ煮え立っていく。これまでの何年もが、巨大な嘘の中だったのだと思うと、怒りで身体ごと燃えそうだった。

「つまりさ……俺が大学入学共通テストを受けたときも、大学二年で事故って死にかけたときも、JHのあの案件にサインしたときも……ばあちゃんはずっと帝都にいたってことだよな。俺のすぐ近くで、あんたが一手に押さえてる療養院に。……なんで会わせなかった? 何考えてたんだよ」

人生の節目。いちばん大事な相手と...

ログインして続きを読む