第43章 クズは殺しにくい

保坂のばあさんがぽつりと口にした「霞澄ちゃん」という一言に、そこにいた三人が揃って、はっと息を止めた。

なかでも反応がいちばん大きかったのは新谷明珠だ。だって彼女は知っている。この「霞澄」とは、松本霞澄のことに他ならないのだから。

「保坂おばさん、ここの施設……警備、あまり行き届いてないんじゃないですか? 病気のご老人が、あんなに遠くまでひとりで出られるなんて。いっそ、別のところに移りません?」

明珠は真剣な目で続ける。

「新谷グループの運営する、すごく上質な施設がありますし……それに、私と廷治の関係もありますから。保坂のばあさんのこと、実の祖母みたいに大切にします」

言い方はあく...

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