第50章 奇妙な光景

江口惟純は松本霞澄を、五十数平方メートルほどの個室へ連れ込んだ。

ここはまるで彼の「第二の家」だ。壁に掛かった大きなテレビを手慣れた動きでつけると、彼はその脇にしゃがみ込み、何やらごそごそと操作し始める。すると画面が切り替わり、別の個室の様子が――いきなり映し出された。

松本霞澄は目を見開いた。胸の奥に、いやな予感がむくむくと立ち上がる。

「江口社長……どういうおつもりですか」

江口惟純は「しーっ」と人差し指を唇に当て、笑って言った。

「黙って見てりゃいい」

そうしているうちに、映像の向こうの個室のドアが開いた。先頭で入ってきたのは新谷明珠。続いて、彼女と同じくらいの年齢に見える...

ログインして続きを読む