第100章 最後の結果

天樹夢子のインタビュー映像が終わると、彼女自身も目を赤くしていた。

今のこの素晴らしい社会に、まだこんな陰鬱な一面が、思想がこれほどまでに遅れた場所があるとは思ってもみなかったからだ。

「裁判長、私の集めた証拠の提出は以上です」

「では、弁護側の最終弁論を」

天樹夢子:「先ほどの証言により、皆様にも被告人が当時置かれていた生活環境、そして彼がなぜ笹川家から逃げ出したのかをご理解いただけたことと存じます。また、私の依頼人が完全に不健全な環境で育ったこともお分かりいただけたはずです。したがって、彼の行動が制御不能であったのは、家庭と成長環境に起因するものであります」

「前回の公判と本日...

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