第107章 もうすぐ奪われそうなのに、付き合う気があるの?

望月良秀にそう言われ、三上汐浪は危うくテーブルをひっくり返しそうになった。

このろくでなしめ、自分が目の前にいるというのにこの図々しさ。言うまでもなく、陸川家の目の届かないところで夢子に良からぬ考えを抱いていたに違いない。彼女を引き抜こうと必死になっているのだ。

腹の底では怒りが煮えくり返っていたが、三上汐浪はその怒りをなんとか抑え込み、見せかけの笑みを浮かべて言った。「ええ、わかったわ。あなたに相応しい人を探しておくわね」

フン! とびきり手強い女をあてがってやらなければ、三上の名が廃るというものだ。

傍らで、天樹夢子は三上汐浪と望月良秀の腹の探り合いを眺めながら、こめか...

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