第116章 私は貞操を守らず、あなたは男徳を守り、賞をあげる

陸川北斗の怒りに対し、天樹夢子は呆れ半分、腹立たしさ半分といったところだったが、最後には彼をなだめるように言った。「誰に触らせたって言うの? 服の上からじゃない」

陸川北斗は言った。「ズボンは穿いてたのか? 靴下は?」

自分ですら数えるほどしか触ったことがなく、まだ幾度も共寝したことがないというのに、どこの馬の骨とも知れない奴らが彼女の体に触れていると思うと、陸川北斗は到底我慢ならなかった。

そもそも、たとえ自分が何度も共寝し、何度も触れていたとしても、他の者が触れることなど許されない。

マッサージであろうと、だ。

陸川北斗が嫉妬心をむき出しにする様子に、天樹夢子は額に手を当て、お...

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