第122章 早く準備していたが、ずっと渡す機会がなかった

天樹夢子の催促に、陸川北斗は彼女を抱きかかえてバスルームへと向かった。

事の後、天樹夢子は疲れ果ててベッドに突っ伏していた。心の中でこっそり計算してみる。二人が関係を持つようになってから、もうかなりの時間が経っている。道理で言えば、お腹に何かしらの変化があってもおかしくない頃だ。それに、いつもの周期で考えれば、この二、三日で生理が来るはずなのに、今に至るまでまだ来ていない。

そこまで考えた途端、普段は大雑把で何事も気にしない天樹夢子の心臓が、まるで喉元までせり上がってきたかのように感じられた。

まさか自分は……。

自分が妊娠したかもしれないと思った瞬間、彼女の頭は猛スピードで回転し始...

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