第127章 検査結果が出た

笹川仲島の手にする株式は彼女よりわずかに少ない。しかし、彼女が笹川仲島の娘であるため、外部の人間は自然と彼らを一体と見なしていた。

もし彼女が笹川仲島と決裂し、彼女の持つ株式が第三者の手に渡れば、笹川仲島の地位は安泰とは言えなくなる。彼が会長の座に留まり続けられるとは限らないのだ。

天樹夢子は弁護士だ。彼女は天樹夢子と長年付き合ってきたのだから、自分の身を守る意識すらないわけがない。

笹川諭の警告に、笹川仲島の顔は青くなったり黒くなったりした。柳生舞子と笹川高晃までもが顔色を変える。普段は物静かで、時には母娘にいじめられても黙っている笹川諭が、肝心な時には頼りになり、他人にいいように操...

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