第137章 抱かせて

陸川北斗が側にいると心地良い、それは否定できない事実だった。彼の身体にはまるで魔力でも宿っているかのようで、触れられるたびに、いつも異様な反応を示してしまう。

t昔も、そして今も、変わらずに。

陸川北斗の手首を両手で掴み、天樹夢子はごくりと唾を飲み込むと、顔を彼に向けた。

「念書まで書いたんだから、あまり調子に乗らないでよ」

陸川北斗は彼女の頬に自分の顔をすり寄せる。

「少しだけ、抱かせてくれ」

天樹夢子は何も言わなかった。腰に回された彼の手を振り払うこともしなかった。

t数日前、陸川北斗が避妊していたことが発覚した時、彼女は確かに激怒し、離婚する決意を固めていた。だか...

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