第150章 証拠は確固たるもの

天樹夢子の隣では、霧雨真矢がずっと涙を拭っていた。

まさか、守谷誠が姉にあれほど酷い仕打ちをしたのが、自身の浮気が原因だったなんて。姉の命を利用して、自分のイメージアップを図っていたのだ。

天樹夢子が自分と早川夏との件を持ち出し、浮気の事実がもはや隠し通せないと悟った守谷誠は、椅子から立ち上がると、だらしない態度で言った。

「ああ、そうだ。俺が霧雨真音を愛してなかったのも、浮気したのも認めるよ」

「そのことは霧雨真音にも正直に話したし、離婚も切り出した。彼女は考えさせてくれと言ったんだ。そしたら、何を思ったか飛び降りやがった。要するに、霧雨真音のことは全部、俺とは関係ない」

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