第168章 彼女の目的はすでに達成された

望月唯は支えられて部屋に戻ると、すぐさま望月良秀の姿が目に入った。彼は掃き出し窓の方からこちらへ歩いてくるところで、その顔色はあまり良くない。

それを見て、望月唯は声をかけた。「お兄ちゃん」

望月良秀は単刀直入に尋ねた。「今日、北斗に会ったのか?」

望月唯は「うん!ちょっと話をしにね」と答えた。

その返答に、望月良秀の顔色はさらに険しくなる。「唯、北斗と夢子はもう夫婦なんだぞ」

兄の忠告に、望月唯はぷっと吹き出した。「お兄ちゃん、そんなこと言われなくてもわかってるって。北斗に会ったのは、どうして私が急に現れたのか説明するためよ。ただの友達として接してるだけ」

「それに、お兄ちゃん...

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