第40章 一晩付き合って

特に榊原秋は、顔をしかめて思った。この子はまた何を馬鹿なことを言っているんだ?

陸川北斗はしかし、恥じることなく応じた。「今夜はフルコースで、まとめて払う」

天樹夢子は鼻で笑った。「いいわよ! あんたが耐えられるならね」

二人とも面の皮が厚い。三上汐浪と榊原秋は顔を見合わせ、気まずさでどうしようもなかった。

この二人のせいで自分たちの顔は真っ赤になっているのに、当の本人たちはまるで他人事だ。

榊原秋は再び天樹夢子の腰のくぼみを突いた。「夢子、口は災いの元よ」

天樹夢子は眉をひそめ、榊原秋に顔を向けた。「お母さん、これ以上腰を突いたら、子供産めなくなっちゃう」

「ぺっぺっぺっ!」...

ログインして続きを読む