第412章もうすぐ30年になる

どうりで今夜は意地でも迎えに来させなかったわけだ。俺に隠れて酒を飲んでいたとは。

陸川北斗の詰問に、天樹夢子は彼を見上げ、しれっとした顔で言った。「飲んでないわよ!お酒なんて」

陸川北斗は信じず、身を屈めて彼女の匂いを嗅いだ。そして、冷めた視線で彼女を見つめる。「本当に飲んでいないと?」

犬のようにクンクンと匂いを嗅ぐ陸川北斗を見て、天樹夢子は慌てて襟元を引き寄せ、視線をそらしながら言った。「一口だけよ!」

それを聞いた陸川北斗は、黙り込んで彼女を見つめた。

その様子に、天樹夢子は右手を挙げ、人差し指を立てて、機嫌を取るように彼をなだめる。「一杯だけ。付き合いで一杯だけだってば!」...

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