第523章 彼女の行く手を阻む

今の彼には、そんな真似はできなかった。

第一に春川柚香に申し訳が立たないし、彼女に対してあまりに不誠実だ。第二に、あの二人を二度と会わせたくない。今後一切の関わりを絶たせたかったからだ。

宮沢宣之の牽制を、宮沢鳴は意に介さなかった。ただ単刀直入に切り出す。

「復讐が目的なら、もう十分成功しているよ」

宮沢鳴がそう言い放っても、宮沢宣之はただ黙って彼を見据えるだけで、口を開こうとはしなかった。

今、叔父と甥は向かい合って立っている。一人はデスクの内側に、もう一人は外側に。

一拍置いて、宮沢鳴が言葉を継ぐ。

「私はA市を去る。今後二度と柚香には会わない。だから、彼女を自由にしてやっ...

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