第524章 彼女の友人に会う

視線を春川柚香に這わせながら、宮沢宣之は内心で毒づく。随分とまあ、優雅な病人がいたものだ、と。

実のところ、春川柚香の風邪など自宅療養の二日目には完治していた。単に怠け癖が出たというか、諸々の面倒事と向き合うのが億劫になり、そのまま雲隠れを決め込んでいただけなのだ。

たった今、ある企業の面接から戻ってきたばかりである。先方からは、結果が出るまで待機するようにと言い渡されていた。

何食わぬ顔でマンションの敷地内へ入ろうとした矢先、不意に横手の車がクラクションを鳴らした。

春川柚香が振り返ると、そこには見慣れたマイバッハが鎮座している。瞬間、心臓が口から飛び出しそうになった。

なぜ宮沢...

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