第89章 私は一人占めするのが好き

さっきの陸川景陽はまるで機関銃のようで、天樹夢子は何回か口を挟もうとしたが、その度ことごとく言葉を塞がれてしまった。

陸川北斗は首をこきりと鳴らした。「陸川景陽、どうやって死にたい? 好きな死に方を選ばせてやる」

陸川景陽はまるで氷の穴に突き落とされたかのように全身が冷え切り、陸川北斗に向かって引きつった笑みを浮かべると、くるりと天樹夢子の方を向いて言った。「夢子、兄貴にはきっと何か事情があったんだよ。たぶん、夢子の目が肥えてて、あのピンクダイヤじゃ気に入らないだろうと思って、柊木にあげたんだ」

「それにあのネックレス、別に綺麗でもないし、上品さにも欠けてる。うちの夢子姉に釣り合うわけ...

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