第92章 私は恥知らず、あなたはどう?

天樹夢子のあまりに率直で過激な物言いに、個室にいた者たちは一人残らず呆気に取られていた。

謝川主任と他の朝日からの同僚二人も同様で、中川はかねてより天樹夢子が陸川北斗と知り合いであることは知っていたが、まさか自分たちの天樹弁護士がここまで言い放つとは思いもしなかった。

部屋中の人間の中で、ただ一人、望月睦だけが口元に笑みを浮かべていた。

天樹夢子に恥をかかせようとか、汚名を着せようとか、彼らは彼女のことをあまりにも知らなすぎる。

幼い頃から、彼女が損をしたところなど見たことがなかった。

「天樹夢子、あなた……」女は怒りで顔が真っ白になった。

天樹夢子はそれを見て、笑った。「私? ...

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