第124章 眠っている時はそんなに嫌じゃない

桜井瑞希はシャワーを浴びながら、さっきの黒崎恒一の顔が何度も脳裏に浮かんでいた。

まさか自分が、本当に黒崎恒一に頼らざるを得ない瞬間が来るなんて。しかも、頭を下げるしかない――そんな感覚が、どうしようもなく嫌だった。

深く息を吸う。ここが限界だ。これ以上、踏み込んではいけない。

そう自分に言い聞かせてから、瑞希は浴室のドアを押し開けた。

出た直後は、湯上がりの姿を黒崎恒一に見られて、また腹の立つことでも言われるんじゃないかと身構えていた。

けれど現実は真逆だった。自分が長く入りすぎたのか、黒崎恒一はベッドの縁にもたれたまま、すっかり眠っている。

「……ふん。寝てるときは、そこまで...

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