第128章 絶対に許さない

「恒一」

水野優奈は黒崎恒一の名を呼び、わざと距離を詰めて彼の腕に抱きついた。

「どうした」

黒崎恒一はそう返したものの、眉間は無意識にきゅっと寄っている。

――苛立ってる。

優奈にも、それはすぐに分かった。それでも手を離さない。

「ねえ恒一、今月の休み、旅行に行かない? 最近ずっと息抜きできてないでしょ」

「君が決めればいい」

「じゃあ……南のほう、あったかいところにしよ?」

黒崎恒一はようやく、深く息を吐いた。

「好きに組め。いちいち聞くな」

そう言い捨てると、彼はそのまま書斎へ向かい、優奈だけがリビングに取り残された。

水野優奈は、遠ざかる背中を見つめるしかない...

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