第136章 この二人は夫婦なのか

桜井瑞希はすでに観客席にいた。けれどこの時の彼女は、これから起こりうることなど、まだ想像もしていない。

校内放送が流れ、ようやく開会式が正式に始まった。

序盤、いくつかのクラスの入場は無難そのものだったが、後半になるにつれ、運動会に参加する子どもたちは思い思いの格好で現れ、会場を彩る華やかな風景になっていく。

桜井瑞希と黒崎恒一は、二人の子どもの保護者として隣同士に座らされていた。

グラウンドの空気は賑やかで楽しげなのに、この二人の間に流れる空気だけが、どこかちぐはぐだった。

一人は氷みたいに無表情で座り、もう一人は全身に沈んだ気配をまとっている。

しかも近くに座っていた保護者た...

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