第149章 小賢しさ

水野優奈も口を開いた。

「桜井さんの言うとおりよ。答えるなら、よく考えてからにして」

「わ、私は……」

松山雲子の額には冷や汗がびっしり浮かんでいた。どちらを選んでも、待っているのは碌な結末じゃない。

そのとき、か細い声が病室に落ちた。

「……ママ……」

目を覚ましたばかりの颯太は、まだぼんやりしている。

桜井瑞希が慌てて駆け寄り、顔を覗き込む。

「颯太、大丈夫? どこか痛い? 気持ち悪くない?」

颯太は何度か瞬きをして、病室にいる大人たちを見回した。空気の張り詰め方で、いま何が起きているのかを理解したらしい。

「瑞希おばちゃん、言いたいことがある」

颯太は小さく息を吸...

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