第166章 祝宴

「ひいおばあちゃん!」

二人の子どもが玄関をくぐるなり、黒崎幸枝のもとへ駆け寄った。

「ひいおばあちゃん、いつまでも今日みたいに幸せで、毎年毎年、今日よりもっと素敵な日になりますように! それから長生きしてね!」

由衣と颯太が声をそろえて言うものだから、黒崎幸枝は頬がゆるみっぱなしだった。

祝宴に合わせて、二人は揃いの鮮やかな和服まで着込んでいる。まるで縁起物のマスコットみたいで、見ているだけで場が華やぐ。

「まあ、かわいいこと。あなたたちにそう言ってもらえたら、ひいおばあちゃん、本当に百歳まで生きられそうね」

その言葉に、二人は顔を見合わせて「えへへ」と笑った。

――そう。桜...

ログインして続きを読む