第186章 何がきっかけか分からない

「黒崎社長、ご馳走さまでした」

関根承吾が笑って言う。

「社長のおかげで、来た甲斐がありました」

黒崎恒一は淡くうなずいただけで、それが挨拶の代わりだった。

水野優奈が二人を見て口を開く。

「お二人のことは、もう伺っています。これは私たちからの気持ちです。急なことで、きちんとしたものを用意できなくて」

「水野さん、お気遣いありがとうございます。お二人のお気持ちだけで十分嬉しいです。なあ、瑞希」

関根承吾が桜井瑞希に視線を向ける。

桜井瑞希はそこでようやく我に返った。

「ええ。私たちの間で、そんなにかしこまる必要はありません」

水野優奈は席を立つ。

「桜井さん。私たちの間...

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