第200章 平行線の交点

「黒崎社長、見つかりました」

鈴木謙介がそう言うなり、くるりと振り返って手招きした。

入口から入ってきた男は、例の映像に映っていた人物――そのままだった。

「黒崎社長……僕に、何のご用でしょうか」

男は俯いたまま、黒崎恒一と目を合わせようともしない。

「お前、あの日、会場で何をしていた」

黒崎恒一は回りくどい前置きもなく切り込んだ。

「会場のバイトです。その日はちょうどシフトが入ってて……それで行きました」

黒崎恒一は一拍置き、さらに問いを重ねる。

「階段の踊り場のあたりを通ったよな。何も見なかったのか」

「え……」男は記憶を探るように目を泳がせた。「何も。あそこは階段で...

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