第22章 強力な遺伝子

その話になると、黒崎恒一はスマホを取り出し、画面を数回タップしてから、山本市郎に意味深な目を向けた。

「これ、調べてくれ。あの女がいったい何者なのか」

ただの偶然とは思えない。そう感じるのに、どこがどうおかしいのか、うまく言葉にできない。

妙に見覚えがある。けれど性格は、桜井瑞希とはまるで違う。

同じ名前で、性格だけが違う?

そんな都合のいい一致が、この世にあるのか。

それでも――別れる直前、あの夜の桜井瑞希には、どこか似ている気がした。

考えれば考えるほど、恒一の胸の奥に黒い疑念が膨らんでいく。

もしかして自分は、ずっと桜井瑞希に踊らされていたんじゃないか。

優しさも、従...

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