第223章 君を信じている

「……実は、水野さんの脚、もうとっくに治ってたのよ」

桜井瑞希はそう言うと、一枚の書類を取り出した。

「水野優奈。よく見なさい。これ、何だと思う?」

水野優奈が身を乗り出す。診断書だった。そこには、はっきりと水野優奈の名前が記されている。

「この診断書は、病院から私が苦労して手に入れたものよ。病院は患者の記録を必ず残す。で、ここに書かれてる日付が――あなたの脚が完治したと正式に判断された日」

黒崎恒一が診断書を受け取る。記載された日時は明瞭で、それは――二人が交際を始める前だった。

あの頃の黒崎恒一は、水野優奈の脚に対して負い目と恩義を抱いていた。だからこそ、彼女と一緒にいた。

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