第234章 パパはママが好き

観覧車を降りたところで、思いがけない人物と鉢合わせた。

黒崎恒一が遊園地のスタッフたちと連れ立って歩き、施設の様子を確かめている。視察――そんな空気だった。

桜井瑞希は思わず足を止める。

この遊園地、黒崎家の投資で造られたなんて……今まで知らなかった。

事情がどうであれ、今は黒崎恒一に会いたくない。

瑞希は颯太と由衣の手を取ると、こそこそと人の流れを外れ、反対側へ回り込もうとした。

「ママ、どうしたの?」

引っぱられながら、颯太がきょとんとする。

由衣も不思議そうに瑞希を見上げた。

だが、関根承吾だけは気づいていた。さっきそこにいた男――黒崎恒一の存在に。

承吾は数歩先へ...

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