第240章 仲睦まじい家族

「ねえ、起きてー!」

桜井瑞希は朝、目を覚ますといつも通り子どもたちを起こしに行った。

ところが、ドアを開けた瞬間――彼女は固まった。

子ども部屋から出てきたのは、黒崎恒一だったのだ。

黒崎恒一も起き抜けらしく、サイズの合っていないパジャマをだらしなく着ている。鍛えた胸元が、布の隙間からちらりと覗いた。

……どこを見ればいいの。

視線の置き場を失ったまま、瑞希は彼の、笑っているのか挑発しているのか分からない顔を見て――ようやく、自分が今なんと呼んだのかに気づいた。

子どもたちを呼んだつもりでも、この状況で「起きてー」なんて言えば、誰が見ても黒崎恒一に向けた呼びかけにしか聞こえな...

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