第67章 パパまた会ったね

颯太と由衣が「恒一」という名を耳にした瞬間、二人は思わず顔を見合わせた。瞳孔がぱっと開く。けれど、どちらも叫び声は飲み込んだ。

――恒一って、それ……パパの名前じゃない?

じゃあ、このおばあさんは……。

使用人がうなずく。

「はい。いま各メディアでも、若様と水野さんが来月ご婚約されると一斉に報じております」

黒崎幸枝は腹の底から込み上げる怒りを抑えきれず、胸元をどんどん叩いた。

「なんて親不孝な子なの……! 私を本気で死なせる気か。瑞希みたいないい子を手放しておいて、よりにもよって、あのぶりっ子と結婚だなんて。水野優奈は腹の中が真っ黒よ。あの子、見抜けないの?」

使用人は困った...

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