第74章 颯太がいじめられる

「うちの黒崎社長が、ぜひお二人にお願いしたいことがありまして。広告の撮影なんですが……いかがでしょう。もちろん、ギャラはきちんとご用意します。ほかの条件も、社長が可能な範囲でしたら何でもおっしゃってください」

颯太と由衣は顔を見合わせた。二人の瞳に、ぱっと喜びの色が灯る。

由衣は待ちきれないとばかりに颯太の袖を引き、少し離れたところでこそこそ囁いた。

「お兄ちゃん、聞いた? パパが、私たちに写真撮りに来てって。パパの会社で!」

「聞いたよ」

颯太も胸が高鳴っていた。パパの会社に行くのは初めてだ。うまくいけば――ママにも会えるかもしれない。

「じゃあ行こう!」

由衣はもう飛び跳ね...

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