第79章 黒崎社長が二人の子どもを溺愛する

「それじゃあ……黒崎社長、よろしくお願いします」

桜井瑞希は、たとえ自分が二人を連れて行きたくなくても、もうどうにもならないと分かっていた。何より、黒崎恒一がこの子たちを――思った以上に気に入っている。

それだけが、唯一の救いだった。

最初は正直、不安しかなかったのだ。黒崎恒一は生来淡白で、仕事と水野優奈以外には、ほとんど興味を示さない。普通なら子どもなんて苦手なはず――そう思っていたのに。

黒崎恒一は颯太と由衣を連れて先に自分のオフィスへ戻り、腕時計に視線を落とした。

「……もう遅いな。今からレストランに行くと、間に合わないかもしれない」

颯太がすぐに意図を汲む。

「大丈夫だ...

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