第9章 このプロジェクトは黒崎恒一会社で

だが、桜井瑞希はすぐに我に返った。

「……分かった。犯人は――あの二人に決まってる。あのちびっ子怪獣!」

自分の資料を、あれほどの速度で黒崎恒一の会社のバックエンドに滑り込ませられるのは、颯太しかいない。

帰国してまだ間もないくせに、まったく大人しくしていない。むしろ、ずっと何か企んでいる。

電話の向こうで、柴田弦次が鼻で笑った。

「瑞希、見方を変えろよ。俺の仕事まで奪って先回りするような天才、どこにいるんだ」

瑞希は、ここ最近の二人のやらかしを思い出しただけで頭が痛くなる。

「あなた、あの子たちがどれだけ手がかかるか知らないでしょ。今日だって黒崎恒一を呼び寄せたのよ。たまたま...

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