第7章

北野紗良視点

私たちの間の沈黙は、今にも切れそうなほどぴんと張り詰めていた。榎本達也の目が私の顔を探る。北野彩香という完璧な仮面を被っているというのに、私は丸裸にされたような気分だった。

私は部屋を横切り、彼の首に腕を回す。彼の心臓の鼓動が感じられるほど、ぴったりと体を寄せた。「どこが違うっていうの?ただ、あなたにすごく会いたかっただけよ」

榎本達也の手が私の腰に添えられる。だが、彼の視線はまだ何かを探るようにさまよっていた。「君の笑顔が……なんだか、前より素直に見える」

素直に見える?一体どういう意味よ、それ。

「帰ってきてくれて、本当に嬉しいからかも」私は背伸びして彼...

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