第75章

「俺は信じるぞ」

藤原隆が唐突に放ったその言葉に、鈴木美咲は虚を突かれたように目を見開いた。

「え……今、何て?」

確信が持てず、彼女は戸惑いの色を滲ませて問い返す。

「お前の言葉を信じると言ったんだ。今回の誘拐、確かに佐藤澪の仕業だ」

藤原隆がここまで断言できるのには理由があった。ここへ来る前、彼は秘書に徹底的な調査を命じ、佐藤澪が林田グループと接触していた事実を掴んでいたのだ。

さらに、林田羽からも裏付けが取れていた。林田界人が電話を受けた後、田中三郎に鈴木美咲の誘拐を指示したという経緯も、すでに彼の耳に入っていた。

藤原隆とて愚かではない。事の理屈が分からないはずもなかっ...

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